織絵屋のブログ

July 2025のブログ記事

Category: きもの歳時記
Posted by: Orieya

 織絵屋の松山です。今回は江戸小紋と伊勢型小紋の関係について述べます。  

 戸小紋の名称は、比較的新しくて、昭和30年に人間国宝に認定された小宮康助氏が他の小紋と区別するために命名し、その後、広く使われるようになりました。

 

 そもそも、小紋とは小さな紋様を彫った型紙を使って、連続的に染めた単色の着物のことです。

 

 その型紙は古くより伊勢の白子地方で作られ、伊勢型紙と呼ばれています。

 

 伊勢型紙は、諸説ありますが、ある和尚が1200年ほど昔、伊勢の不断桜の落ち葉に空いた虫食いの穴を見て、「型紙」を思い付いたという伝説があります。

 伊勢型紙は江戸時代に入ると、武士の裃を染める型紙として大きく発展し、型売り業者が各地にまで型紙を売り歩き、全国に広まりました。

 

 やがて、江戸中期以降になると、庶民の間でも流行し、幕府の奢侈禁止令の御触れと共に、遠目には無地に見える江戸小紋が男女とも広く着られるようになりました。

 

 伊勢型紙で染められた単色の小紋が伊勢型小紋ですので、江戸時代の裃から発展した単色の江戸小紋も伊勢型小紋の一部と言えます。

Category: きもの歳時記
Posted by: Orieya

織絵屋の松山です。今回は人気の西陣帯メーカー『帯のあらた」について述べます。

 

4月に、京都の西陣帯『帯のあらた』を訪ねました。

 

『帯のあらた』は、今、話題の西陣帯メーカーです。

 

 昭和60年(1985年)創業の新しい小機屋です。創業者の今村俊氏は伝統的な分業制である意匠屋(図案を作る専門業)に頼らず、自ら図案を考案し、少数精鋭の熟練職人と共に帯を制作し始めました。

 

 さらに、平成14年以降、大学で建築デザインを学び、大手ゼネコンで働いていた変わり種の二代目・今村忠昭氏が、伝統的なデザインだけでなく、現代的な感覚を取り入れたスタィリッシュなデザインでセンスの高い帯を創り続けています。

 

 デザインだけでなく、高品質な絹糸と独自の染色技術を用いて、質感や色あいにもこだわっています。

 

また、締めやすさにもこだわっています。帯の裏の省ける浮き糸は、ほぼ省き、軽さと薄さを追求し、締めたときのガサガサとした感覚をなくし、体に沿ったより良い締め心地を追求しています。

 

 初めて「あらたの帯」を観た人は、その新鮮さに驚きます。すでに帯を数十本も持っている方でも、「こんな帯、見たことない!」と、購入する方が絶えません。

 

 忠昭氏は、西陣帯の火を消さないように、他の帯メーカーの休業状態の織機をレンタルし、新たな挑戦をしています。12日~14日、当店に来てくれます。

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