織絵屋のブログ

October 2025のブログ記事

Category: きもの歳時記
Posted by: Orieya

松山です。30年以上前、石川英輔という作家の大江戸神仙伝シリーズ本に出合い、江戸時代が好きになりました。

 

 氏は著書「大江戸しあわせ指南」の中で、着物は直線裁ちで無駄がなく、また再利用が簡単にできる非常にエコな衣だったと説いています。

 

 私は普段は木綿や麻、テンションを上げたいイベントなどの時は絹の着物を着ています。

 

 天然繊維の木綿や麻は水で洗えるので、体にも環境にも負荷をかけません。6、7年着て、汚れや変色が気になれば、裏返しに仕立て直し。着なくなったら作務衣にリメイクして作業着にして着ています。

 

 絹の着物は、汚れが気になったら、少し濃い目の色を掛ければ別な色の着物に生まれ変わります。また、数年着て裾が切れたら、洗い張りに出し、仕立て直ししています。何度か裾切れすると丈が足りなくなるので、同じように丈の足りなくなった着物と二枚を組み合わせパッチワークの着物や羽織、陣羽織に仕立て直しています。

 

 余った端切れなどは、洋服やバッグ、また、ランチョンマット、コースターなどにリメイク。

 

 最後は絹の雑巾に。刺し子などで補強し、雑巾として使ってみると、驚くほど汚れが良く落ちます。

 

 あなたも着物でSDGsに参加しませんか?。

Category: きもの歳時記
Posted by: Orieya

 織絵屋の松山です。今回は明治大正時代の帯を復元した京都西陣の老舗機屋「菱屋善兵衛」について述べます。

 

 創業220年を超える西陣・菱屋善兵衛は、20年ほど前に、創業200年記念の帯を製作する企画が持ち上がりました。

 

 何か参考になる資料はないかと古くからある蔵を整理中に、明治、大正時代に製造していた帯地や図案、小裂などが見つかりました。当時は、まだ無名だった上村松園や菊池契月、木島桜谷などそうそうたる画家たちが描いた図案もあった。

 

 これらの帯地を復刻することに決まったのだが、復刻は簡単ではなかった。明治大正時代の帯は、糸の品質、糸の込み具合、ジャガードの細かさなど「これほどまでにすごいとは!」と職人たちは驚いたという。

 しかし、彼らはあきらめなかった。その帯地の柔らかな風合い、手触り感、また軽さを現代に蘇らせるために研究に研究を重ねた…一番の問題は絹糸だった。現代の絹糸では復刻することは不可能だったのだ。

 

 一時は不可能とあきらめそうになった復刻を可能にしたのが、あの世界的ブランド・エルメスが使用する「ブラタク糸」という絹糸だった。

 

 その最高の絹糸を緯糸に使い、通常の倍の密度で織り上げました。職人たちが図案、素材、配色のすべてを吟味し、3年の歳月を要して完成。

 10月18日から20日の「44歳の誕生祭」でお披露目します。

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