織絵屋のブログ

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織絵屋の松山です。私が大好きな文様の一つに七宝文様があります!

 

 

 

七宝とは、仏教用語(無量寿経)で、「金、銀、水晶、瑠璃(るり)、瑪瑙(めのう)、珊瑚(さんご)、しゃこ(貝)」の七つの宝を指します。

 

七宝文様は、同じ大きさの円を4分の1ずつ重ねた文様を言います。また、この文様を上下左右に規則正しく連続させた文様を「七宝つなぎ」と言います。

 

この文様の意味は、円・輪は縁・和につながり、人と人との縁・和の大切さを表しています。

 

自分には父と母があり、その父と母にもそれぞれ父と母があり、また、その父と母にも・・・という様な命のつながりがあって、今の自分があるという意味が込められています。

 

また、「七宝つなぎ」文様は、四方どちら方向にも伸びて、子孫繁栄を意味しています。

 

江戸時代に四方が訛って「しっぽう」と呼ばれるようになったと言われています。

 

私が思うに、「人と人のつながり、縁・和は、七つの宝と同じ様に大切にすべきことですよ。」ということを教えてくれる文様だと思います。

 

七宝文様の着物や帯をお探しの方は、気軽にお問い合わせ、またはご来店下さい。

織絵屋の松山です。今回は、江戸時代に藍染めと並んで二大染めと言われた『紅染め』について述べます。

 

昭和の初期まで、着物の裏地・胴裏には紅絹(もみ)と呼ばれた真っ赤な裏地が定番でした。これが「紅染め」です。

 

紅染めの染料は紅花から作られますが、紅花の原産はエチオピアと言われています。

 

 

 

紅花はエチオピアからエジプト、シルクロードを経て、飛鳥時代に中国から日本へと伝わりました。

 

古代エジプトでは、赤は永遠の生命と復活を願う色とされ、ミイラには紅花帯が巻かれ、紅の化粧が施されていたそうです。

 

また,日本の藤ノ木古墳(6世紀後半)の石棺からも紅花の花粉が発見されています。

 

紅花から採れる染料は黄色と赤です。黄色十に対して赤は一しか採れません。そのため、真紅は、一般の人は使うことを許されない禁色になっていました。

 

江戸時代、度々、奢侈禁止令が出されると庶民は表から見えない裏地や長襦袢に紅染めのモノを使うようになりました。

 

また、紅は血行を良くし、また、魔除けの効果もあるとされ、昭和の初期まで、普通に紅絹(もみ)が使われていました。

 

希少な鮮やかな濃い赤「紅絹(もみ)」の長襦袢が店に1反だけ残っています。興味のある方は、気軽にお問い合わせ、またはご来店下さい。

織絵屋の松山です。唐草文様というと、泥棒の背負う風呂敷を連想する方も多いと思いますが、格の高い着物や帯などに良く使われる吉祥文様です。

 

今回は唐草文様について述べます。

 

 

 

唐草文様の起源は古く、古代エジプトまでさかのぼります。ギリシャ、インドを経て、日本には、奈良時代に中国の唐から伝わりました。

 

「唐草」という植物は存在しません。唐の国から伝わったつる草文様という意味です。

 

唐草文様は、つる草がからみ合ったような流線形に葉や花、実などをあしらい文様化したものです。様々な唐草文様があります。

 

唐草文様は、つる草がどこまでも伸び、文様が切れずに連続しています。そのことから、子孫繁栄、延命長寿を意味するとされています。

 

近年まで、婚礼調度品などには唐草文様の大きな風呂敷が掛けられていました。これは、「両家の末永い繁栄を願い、両家のつながりがいつまでも続きますように!」というメッセージが込められています。

 

唐草文様の着物や帯をお探しの方は、気軽にお問い合わせ、またはご来店下さい。

織絵屋の松山です。今回は「四君子文様」について述べます。

 

本来、君子とは中国の宋の時代より徳行正しき人格者で、学識高く、清らかで高潔の人のことを言いました。

 

蘭・竹・菊・梅の4種が君子の特性を持つことから君子になぞらえ、四君子文様となりました。

 

 

 

これが日本に伝わり、4種がそれぞれに春夏秋冬の季節を代表することから、江戸時代には様々な物の絵柄として使われるようになり、やがて吉祥文様として扱われるようになりました。

 

『蘭』は、春にほのかな香りと気品ある花を咲かせます。また、清楚で控え目な姿が「善人蘭の如し」と称えられます。

 

『竹』は、夏でも凛とした青さを失わず、笹の葉がわずかな風でもサラサラと涼感を呼び寄せます。また、中空にして裏表のない高潔さを意味します。

 

『菊』は、秋に、寒さに逆らうかのように気高き花を咲かせます。また、菊の花は放射状になっており、太陽になぞらえられ百花の中で最上位とされています。

 

梅は、冬の厳しい寒さの中にありながらも、春に先がけ高貴な香りを漂わせながら花開きます。また、梅は子を産む母を意味し、目出度い文様とされてきました。

 

四君子文様の着物や帯をお探しの方は、気軽にお問い合わせ、またはご来店下さい。

織絵屋の松山です。今回はめでたい文様の代表といえる「松竹梅」文様について述べます。

 

 

『松』、『竹』、『梅』のそれぞれの文様は平安時代からよく使われていたようですが、それらの三つを組み合わせた文様が使われ始めたのは室町時代だと言われています。

 

『松』は、砂地や岩だらけの土地でさえ、何年間も芽を出す日を待ち続け、やがて芽を出し、たくましく生長します。

 

また、松は四季を通じて一年中、葉の色が青い常盤木であることから、古来、吉祥文様とされてきました。

 

『竹』は、そのすくすく育つ生長の早さ、中空の形状、また、年間を通じてみずみずしい青さを保つことから「聖人君子」を意味するとされてきました。

 

『梅』は、一年で一番早く、寒中でも百花にさきがけて咲き、芳香を放つことから新しい生命の誕生を意味しています。

 

これらのことから、『松竹梅』文様は「待つ・聖人君子・産め」を意味していると言えます。

 

結婚する若い二人に「聖人君子のような素晴らしい赤ちゃんが産まれることを期待していますよ。」というメッセージが込められた文様なのです。

 

松竹梅文様の着物や帯をお探しの方は、気軽にお問い合わせ、またはご来店下さい。

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